住まいを売却するとき、購入を検討する人に対しての“決め手”につながるのが「内見」です。内見とは「内部見学」を縮めた言い方で、実際に住まいを見てもらうこと。不動産会社によっては「案内」と呼ぶこともあります。「日常の、ありのままの姿を見てもらう」でも構いませんが、事前にちょっとした準備をすることで、交渉を有利に進めることができたり、成約率アップが実現できます。そこで今回は、内見でおさえておきたいポイントなどについてご説明しましょう。
おさえておきたい事前準備のポイント
売主様と媒介契約を結んだ不動産会社は、広告などによって販売活動を開始します。そして、「物件を見てみたい」と購入を検討する人から問い合わせが届いたら、内見に向けた日程調整を行います。売主様にとっての内見の目的は、大きく2つ。ひとつは、売却する住まいをよく理解してもらうこと。もうひとつは、売却する住まいに対して良い印象を持ってもらうことです。この点をよく理解しておいてください。
売主様にはまず、住まいの売却を依頼した不動産会社から、たとえば「今週17日の土曜日、午後2時に内見を入れても大丈夫ですか?」と連絡が入ります。日時に問題がなければ「わかりました」と承諾。都合が悪い場合は、代替の日時を提案し、日程を調整してもらいます。この場合、できるだけ購入を検討する人に日程を合わせたほうがいいでしょう。
内見の日程が決まったら、それまでに準備を行います。準備のポイントは大きく3つ。まず、ひとつは、住まいをきれいに見えるようにすることです。第一印象は住まいの売却でも重要。とはいえ、内見があるたびに大掃除を行なっていたらヘトヘトになってしまいます。ポイントは、水回りと換気です。浴室の水垢をとっておいたり、鏡やキッチンを磨いてスッキリさせておくと、特に女性から高評価を得ることができます。
また、住まいの臭いは、普段住んでいる人にはわからないものです。特に、タバコを吸う人がいたり、ペットを飼っている売主様は要注意。玄関を開けた途端、「タバコ臭い」「犬(猫)臭い」と内見のお客様が感じてしまったら、マイナスイメージを挽回するのは容易ではありません。少なくとも、内見当日は何箇所かの窓を開けて換気を行い、風通しの良い雰囲気でお客様を迎えましょう。
内見での売主様の役割は?
準備のポイント、2つめは、住まいを明るく、見やすくすることです。先に申し上げたように、内見の目的は購入を検討する人に住まいをよく理解してもらうことにあります。そのため、床にものを置かず、散らかったものを片付け、お客様の視線を妨げるものがないよう、できるだけ整理整頓しておくこと。
加えて、内見のお客様が来る前にカーテンなどを開けて陽の光を入れるとともに、各部屋の電気を点けておくといいでしょう。家の中が明るくなることで、広く、きれいに見えるので、好印象を与えることが期待できます。
準備のポイント、3つめは、内見のお客様への対応です。約束の時間になったら、不動産会社の営業マンとともに内見のお客様が訪れますから、売主様は玄関で応対し、挨拶をしましょう。このとき、笑顔で明るくお迎えすることが好印象に直結するのは言うまでもありません。
挨拶の後は、営業マンに案内や説明を任せて構いません。とはいえ、内見のお客様をほったらかしにして他のことを始めたり、テレビを見ていたりするのは禁物。売主様も立会いながら、質問に答えたり、周辺の環境や利便性など、内見のお客様が知りたい情報を伝えてあげると、印象はさらにアップすること請け合いです。
まとめ
内見は売主様にとってなかなかに骨の折れる作業です。しかし、スムーズな売却を実現するためにも、ここは頑張りどころと言えます。とは言え、売主様がサービス満点の営業マンに変身する必要はありません。あくまでも、感じよく受け答えしていただけるだけで十分です。
注意していただきたいのは、内見のお客様と条件や価格について交渉したり、承諾したりしないこと。たとえば、営業マンがいないときに内見のお客様から「この家具、素敵ですね」と言われ、「いいですよ、置いていきます」と、軽い気持ちで約束。それをすっかり忘れてしまい、後日トラブルになるケースがあります。売主様は説明役に徹しましょう。
不動産の売却は、営業マンの経験がものを言う分野です。新人営業マンでは苦戦することも多く、大手不動産会社でもきちんと教育していないところが少なくありません。何の準備もしないまま、いきなり内見、というケースもありますから注意してください。
安心・確実な売却をお考えなら、経験豊富な当社にどうぞお気軽にご相談ください。