親名義の不動産査定の依頼について

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親から不動産を相続する場合、相続人が複数人いるということは良くあることです。そして、相続した不動産を売却する、となった場合は相続人全員の意見が一致していなければ売ることが出来ないのです。今回は、そんな相続物件を売却するための第一歩、「査定」についてみていきましょう。

査定の依頼は誰がする?

通常、物件の査定というのは、「この家を売りたいと思っているけれど、一体いくらくらいで売れるんだろう」と疑問に思った物件の所有者ご本人から依頼を受けるものです。しかし、実は、物件の所有者様以外の方からの査定依頼というものも少なくありません。

どういう場合かというと、さまざまな理由がありますが、やはり不動産の所有者様がご高齢で、ご自身での対応が難しいから、というのが一番多いようです。そのような場合、土地や建物の所有者様の配偶者様やお子さん、親戚の方などから査定をお願いされることが多々あります。

しかし、驚くことに、なかには友達や知り合いといったまったくの第三者である「無権利者」といわれる方から査定を頼まれることもあります。所有者様からお願いされたわけでもないのに「一度査定をしてみたら?」とか「知り合いのところに頼んであげる」といったお節介によって勝手に話が進んでしまうケースです。

もちろん、不動産会社は所有者以外の方からの依頼でも査定を承っています。とはいえ、可能であれば、電話などで所有者様に売却の意思を確認しておきたいのが本当のところ。所有者様に売却の意思があることが事前に確認できれば、しっかりとした査定を行うことが可能になるからです。

査定にも手間と時間とお金がかかります。不動産会社としては、なかば冷やかしのような依頼と、実際に「売りたい」という意思を感じる依頼では、査定にかけるモチベーションが違ってくる場合があるかもしれません。より具体的な査定を受けるためにも、不動産の所有者様ご本人から不動産会社に依頼することをお勧めします。

相続物件の場合の依頼の注意点は?

一方で、査定というのは同じ物件であっても、実は、依頼した不動産会社によって査定額にばらつきがあることも多いのです。自分ひとりが所有する不動産であれば、自分の納得した金額を示した不動産会社で売却を決めることに何の問題もありません。しかし、不動産の権利を複数の相続人たちで持つ相続物件のような場合は事情が少し違ってきます。

相続人のひとりが「これくらいの価格で売れればいいだろう」と思っていても、他の相続人が「もっと高い値段で売りたい」と考えていれば勝手に売却することはできません。無理に事を進めようしてトラブルになってしまうこともしばしばです。

トラブルを防ぐためには、相続物件なら相続人全員が足並みを揃えておくことがなによりも大切になります。複数の人たちが権利を持つことが多い相続物件は、なにが火種になってしまうかも分からないもの。ちょっとした行き違いがたいへんな揉め事に発展してしまうケースも少なくありません。

「たかが査定」と軽く考えがちですが、関係者のそれぞれが異なる不動産会社に依頼し、それぞれ違う金額を提示されてしまった場合、話がややこしくなるのは間違いないでしょう。こうした事態を避けるためにも、あらかじめ相続人の皆さんで「だいたいこれくらいの金額で売りたい」「いつまでに売りたい」など、意思を確認し、統一した上で、複数の不動産会社に査定を依頼することがお勧めです。

相続の場合、税理士や司法書士など士業の先生にお世話になることが少なくありません。そういった士業の先生から不動産会社を紹介されるケースもありますが、きちんと納得して相続物件を売却するためには、自分で選んだ他の不動産会社にも査定を依頼し、比較・検討してみることが大事です。

弊社ではセカンドオピニオンの査定を無料で承っています。現状に疑問・不満を抱いている売主様、ぜひ一度ご相談ください。