売買契約を締結する際の重要書類(2)付帯設備表とは?

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不動産会社と媒介契約を締結する際、売主様は「物件状況報告書」とともに、建物内の設備等の状態を「付帯設備表」と呼ばれる書類に記入します。マンション、戸建を問わず必須の書類となっているこの付帯設備表について、今回はご説明しましょう。

建物内の状態を買主様に告知する書面

中古の不動産物件の場合、年月とともに傷んでいく建物や設備の状態を明示する必要があります。とはいえ、中古不動産の内覧では、売主様がまだ住んでいる状態で行うことが多いため、細部まで事細かに確かめることは困難です。また、売主様と買主様では設備に関する認識に違いが生じることも少なくありません。

そこで用いられるのが付帯設備表です。付帯設備表は、売主様から買主さまに譲渡される物件の設備や故障の有無、設備を撤去するのか、置いていくのかなどの取り決めを記載するものです。付帯設備表には、買主様が把握しておきたい購入した物件の建物や設備の状態が詳しく記載されているため、売買における「言った」「言わない」の争いを防ぐ重要な役割を持った書類でもあります。

付帯設備表の具体的な内容

付帯設備表に記載される項目を見てみましょう。実際の書面では、設備の有無や故障の不具合の有無をチェックする欄や具体的内容を記入する欄などで構成されています。

・空調
冷暖房機、床暖房設備、換気扇、24時間換気システムなど

・水回り
台所設備、浴室設備、洗面設備、トイレ設備、洗濯用防水パンなど

・給湯
給湯器、バランス釜、太陽熱温水器、湯沸し器など

・収納
食器棚、吊戸棚、床下収納、下駄箱など

・照明
屋内照明設備、屋外照明設備など

・建具
網戸、雨戸、ふすま、障子など

・その他
インターホン、ドアチャイム、テレビアンテナ、カーテンレール、カーテン、物干し、車庫、物置、庭木、庭石、灯ろう、門、表札、塀、フェンス、垣根など

付帯設備表の注意点

不動産売買契約における付帯設備表の売主様の注意点を見ていきましょう。

普段生活をしている住まいの場合、売主様は故障や不具合を見過ごしてしまっていたり、慣れてしまっていることがあります。そこで、第三者である不動産会社の担当者とともに販売開始前に動作確認をしながら付帯設備表を作成することをおすすめします。

注意していただきたいのは、住まいの状態を実際に確認しないまま付帯設備表を完成させてしまうことです。不動産会社との媒介契約時に、机上で記憶だけを頼りに付帯設備表を記入し、それで終わり、というのはとても危険。記入漏れや記入ミスは避けられず、満足できる付帯設備表は作成できません。

売主様は慎重すぎるくらい細かくレポートするつもりで、注意深く住まいを確認していきましょう。付帯設備表に記入漏れがあったり、状態の告知が実際のものと異なっていた場合、引き渡し後に不具合が見つかると、損害賠償や契約解除などの責任が発生する可能性があるからです。

戸や扉、網戸に傷や穴はないか、スムーズに動くか、異音はしないか。窓ガラスにヒビは入っていないか、床の変色や傷、傷み具体はどうか、モニター付きインターフォンや給湯器、浴室暖房乾燥機など、付加価値のある設備はきちんと作動するかなどなど、チェックすべき項目は多岐に及びます。不動産会社の担当者にアドバイスを受けながら漏れがないように記入していきましょう。

まとめ

中古不動産の売買では、付帯設備関連の不備や故障によってトラブルが生じることが少なくありません。買主様からすれば、設備の状況を確認した上で購入を検討したいと思うのは当然です。売主様の説明責任を果たすためにも、付帯設備表はとても重要な書面と言えます。後々のトラブルを避けるためにも、付帯設備表の重要度を心にとめておきましょう。

当社は、住まいの売出しからお引き渡しまで売主様をきめ細かくサポートします。どうぞお気軽にご相談ください。