事故物件でも売却は可能?

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Q:売ろうとしている物件が事故物件だったら?

よく耳にする「事故物件」という言葉。もし、皆さんがこれから売ろうとしている物件が事故物件だとしたら、どんなことが気になりますか?やはり、「本当に売れるのか」ということや「値段は相場よりもかなり安く設定しなければならないか」というようなことでしょう。不動産業界では「事故物件」は「告知事項ありの物件」と呼ばれ、簡単に言えば「訳アリの物件」として扱われます。今回は、そんな厄介なイメージがつきまとう「事故物件」についてご説明します。

事故物件とは?

突然ですが、不動産に関して、日本と欧米では決定的に異なる価値観があるということをご存じでしょうか?日本では多くの人が「新築」や「築〇年以内」といった新しい物件を好んで購入することに対して、欧米では古い建物こそが「歴史がある」「アンティークだ」と評価され、人々に人気があるのです。日本人の「新しいところに住みたい!」という考え方は、多くの物件のオーナーを苦しめているといっても過言ではありません。

さらに、昨今のわが国では、もうひとつオーナーを困らせる状況が生まれています。それは、高齢化に伴ってお年寄りの独居世帯が増加しているということです。ご自宅などの住まいで亡くなるお年寄りが増えれば、自ずと「事故物件」が増加していく、ということに繋がるわけです。

日本の不動産オーナーにとっては、この状況は大変な痛手です。常に新しい物件が人気を集めるわが国では、基本的には、買った瞬間からその物件の価値は下がり始めます。それに加えて、増える一方のお年寄りの自然死、孤独死によって、所有している物件が「事故物件」になってしまえば、その価値は本来のものよりもかなり低いものになってしまうからです。

こうした状況を打開するために、政府は「事故物件の定義」を改訂しました。以前は、理由にかかわらず、人がその部屋で亡くなった場合には告知をする努力義務がありました。しかし、改定後は、亡くなった原因が病気によるものであったり、お年寄りなどの自然死であった場合は「告知しなくても良い」「その物件は事故物件ではない」という扱いに変わったのです。

事故物件を上手に売るためには?

ひと口に事故物件といっても、「事故」の理由によって売却価格は変わってきます。たとえば、自殺や殺人事件の場合、一番価値が下がるといわれています。自殺があった物件では1割~2割程度、殺人事件があった物件では2割~3割ほど売却価格が安くなってしまうようです。

また、法改正がなされて事故物件の扱いが変わったといっても、多くの場合、買主様に対して前もってその事実をお伝えしています。なぜなら、買主様が知らずに購入して、後になってご近所さんから「昔、その家では人が亡くなったんだよ」などと聞かされたら、どうでしょう。気分が悪いのは当然ですし、「そうと知っていれば買わなかったのに」と、不動産会社とのトラブルに発展し、裁判沙汰になるケースも珍しくないからです。

では、実際に事故物件を売る際のポイントとなるのはどこでしょうか?それは「価格」です。“新しい物件に価値を見出す人が多い”といっても、価値観は人によってさまざまそれぞれ。たとえ事故物件であったとしても、価格次第ですぐに買い手が見つかることも珍しくありません。

さらに、腕のよい営業マンなら、相場と同等とはいかないまでも、割と強気な価格設定でも事故物件を売ってしまうようなケースもあるようです。

普通の物件と比較して、売却に苦労することが多い事故物件。そのような物件の売却をお考えの売主様は、経験・知識が豊富でご自身が信頼できるプロに任せるのが一番間違いない方法だといえます。その物件の見せ方や価格設定を見誤らないような不動産会社に売却を依頼しましょう。