不動産会社の販売活動、その実態とは?(3)

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Q:売却を依頼した不動産会社は、どういった販売活動をするの?

大切な住まいの売却を任せる不動産会社を選ぶとき、売主様は2つの疑問が湧いてくるはずです。ひとつは「査定金額はいくらくらいになるの?」という疑問。そして、もうひとつは「どんな内容の販売活動をしてくれるの?」という疑問です。重要なのにあまり内容が知られていないのがこの「販売活動」。今の時代、インターネットを使って広告活動をするのは、なんとなく想像がつくかもしれません。そこで今回は、インターネットを使わない方法の販売活動、「アナログ活動」というものをご説明します。

その4 不動産会社の「アナログ活動」とは?

お預かりした物件の情報は、他の不動産会社などが自由に閲覧できるようにレインズに登録します。しかし、レインズに登録したからといって「さあ、これでみんなに情報を見てもらえるぞ。あとは問い合わせがあるのを待つだけだ!」というわけにはいきません。

どの不動産会社もレインズの情報を欠かさずチェックしているというわけではないし、忙しかったりタイミングがずれてしまったりすれば、せっかく条件がマッチしている物件であっても見逃されてしまうことが多々あるからです。

そこで、物件を任された不動産会社はレインズへの登録だけでなく、実際に図面を持って地元の不動産会社やハウスメーカーを一軒一軒回り、新しく依頼された物件の紹介をします。

こうした、実際に近隣の同業他社へ足を運んで行う広告活動のことを「アナログ活動」と呼んでいます。アナログ活動は一見地道な活動に見えますが、実はとても効果的。この活動を行うのと行わないのとでは、成約の確率にかなりの違いが表れてくるのです。

たとえば、一戸建ての家を探しているお客様の場合、建売や中古の家を購入するか、あるいは、お願いしたいハウスメーカーを先に決めてそこから注文住宅を建てる、という大きく分けて2つの選択肢があります。

実は、注文住宅を建てる場合によくあるのが、「ハウスメーカーは決まった!どんな家を建てたいかもだいたい決まっている!でも、家を建てるための肝心の土地が決まっていない・・・」という状況なのです。こういった状況にいるお客様のことを業界では「土地なし客」と呼んでいます。

ハウスメーカー側はこのような「おたくの会社で建てたいんです」という土地なし客を絶対に逃したくはありません。しかし、ハウスメーカーは不動産仲介がメインの会社ではないので、土地の情報をあまり持っていないのです。

そこで仲介メインの不動産会社が「こんな条件の物件がありますよ!いかがでしょう?」と情報を持っていくことによって、ハウスメーカーの担当者も「ここならお客様が希望している家を建てられるぞ!」と、お互いの条件をすり合わせることができるのです。

へーベルハウスやタマホーム、大和ハウスなどの大手のハウスメーカーは、土地なし客を多く抱えている場合がありますから、不動産会社の営業マンは実際に住宅展示場へ出向き、物件を紹介します。このアナログ活動で、意外にすんなりと買主様が見つかってしまうということも少なくありません。

ちなみに、中古マンションの場合、売却を依頼された不動産会社はリノベーション業者にも足を運びます。ここ最近、中古マンションのリノベーションが流行っていますから、物件が出るのを楽しみに待っているお客様がたくさんいらっしゃるのです。